佐々木中『夜戦と永遠』が文庫化!?(2)

……思想書で、副題にある通り「ラカンフーコールジャンドル」の三名について、順番に、ほぼ同量ずつ、語っている。
最終的には、三人の不穏な共鳴によって、「夜戦と永遠の地平」が見えてくる、らしい。まだ「ラカン」の途中までしか読んでなかったから、どれくらい共鳴したか、わからないけど。共鳴というくらいだから、三つが揃ってはじめて、鳴りだすのかもしれない。ラカンだけだと、まだ「ブーン」って。
ラカンだけしか読んでないのは、図書館で借りて読んでたからで、もうかれこれ出版されてから数年経つにも関わらず、図書館では「予約待ち」状態が続き、いったん返すと十人が読み終らない限りまた回ってこない。
6000円の、この巨大な本を今のざいせい事情で買うのは気がひける。
他の誰かがこの区にある三冊を回し読みしている間に、他の本を読んでおこうと思って、放っておいた。そんなある日、2ちゃんねるの「佐々木中」スレを見ていたら、

夜戦と永遠が文庫化されるらしい

という書き込みがあった。さもありなん。あれはあんな出版事情(たぶんそんなに名の売れてない出版社の、しかもあれだけ大がかりな本)だったにも関わらず、かなり売れたらしい。「切りとれ、あの祈る手を」は、東浩紀がちょうど同じ頃に「東浩紀編集長」として「思想地図β」という雑誌を発刊しようともくろんでいたその時に出て、思想書としては例外的な売り上げをはじき出して同じくらい「思想地図β」が売れなければ終わりだ、といって佐々木中のダメなところをツイッターであげつらっていた。さもありなん。思想の良さは、売り上げ部数によって決まるらしい。
それくらい「切りとれ、あの祈る手を」は売れた。自分も買った。
なので、「夜戦と永遠」を文庫化したら、それなりに売れるだろう。自分も出たら買う。だいいち、イソケン(磯崎憲一郎)との対談で、イソケン(磯崎憲一郎)が、「夜戦と永遠、今度文庫化されるんですよね?」といって、ささあた(佐々木中)が「それ、まだ言っちゃダメですよ(笑)」といった、らしい。
こんな対談の情報を出して、「2ちゃんねる」からのデータの信憑性を高めようとしてるけど、この「対談」の情報自体も、「2ちゃんねる」による。でも、さもありなんですよ。出たら買う。